そろそろテストが続いて行われる時期かと思います。今までワークだったのが、評価を付けるためのテストに切り替わっていきます。評価と言っても、1年生1学期は成績に◎(よくできる)がない学校があります。◎が付けにくいのです。
◎が付けにくい理由
1 入門期だから
1年生の1学期初期は入門期で、学校生活に慣れるための時間をたくさんとっています。特に4月は朝の準備、下校の準備、給食の準備に片付けなどで、授業が終わります。また、学習では、挙手の仕方や、教科書・ノートの扱い、ノートの書き方、鉛筆の持ち方など、基本的な学習の仕方を学習します。ですので、時間割に教科が書かれていても、本来の教科としての内容には入っていません。
2 今までの生活で身につけた内容だから
教科の学習に入っても、国語の力や算数の力が十分にある、十分に身についた(◎)とは言いきりにくいです。なぜなら、1学期前半は、入学前から身につけている内容が学習内容となっているからです。既に生活の中で身につけている内容を、小学校で確かなものにしていきます。
例えば、ひらがなの読み書きです。完全に覚えたかを確認するテストはあります。しかし、完璧でなくとも、だいたいを覚えて入学してきます。
算数では、10までの数は、ほとんどの子が唱えられますし、数えられて入学します。学校では数の概念を確かなものにさせながら、みんなのスタートラインを揃えています。
つまり、基礎となる土台をつくりながら、スタートラインに立たせている感じです。◎の評価になるような内容をやっていないため、テストやワーク、日々の授業などで、国語や算数について「十分にできている」(◎)とまで言い切れないのです。
この子は算数に強いだろうなとは感じることはありますが、それは主観になります。主観で付けることはできません。
3 判断材料が少ないから
・授業中
ひらがなを習い終えるのが、6月頃だとします。そうなると、授業で理解度を評価できる内容が、発言や式、プリントなどの限られた方法になります。そうなると、「できる」(○)「がんばろう」(△)は付けられたとしても、「よくできる」(◎)を判断する内容とまでにはならないのです。
・テスト
テストが1学期の半ばくらいから始まりますが、教科としての評価がとりにくいです。やり慣れておらず、問題の解き方がわからずに間違えてしまうことがあるのです。
それを防ぐために、やり方を説明してあげたり、問題を読んであげたりすることもあります。しかし、そうすると、「よくできる」が見つけにくくなります。
どちらにしても、「がんばろう」(△)は、できていない状態なのではっきりするのですが、「よくできる」(○)と「できる」(○)の差がつかないのです。
また、点数で区切るにしても問題数が少なく、1問25点ということもあります。1つ間違えで75点です。100点とれるような簡単な問題ですので、100点のみを◎とすることもできます。しかし、テスト慣れしていない中、100点で区切るということは、教科として正しく評価できているとは言い難いです。
△が付いたら早急な対応を
◎は、○と差がわかりなくいために付けない学校もあるほどです。しかし、△の場合は、はっきりしています。しかし、もしかしたら、1学期だからと、◎が付けにくいことと同様の理由で、△も控えめに付けている学校もあるかもしれません。1年生1学期で△が付く場合は、何かしらの対応が早急に必要です。
懇談会があれば、先生に相談しましょう。
1 発達検査が必要か
先生が何かしら感じることがあったとしても、
・保護者との関係性がまだできていない(どのような保護者かわからない)
・判断材料が少ないので曖昧には言えない
といった理由から、まだこの段階では言い出しにくいことがあります。
ですので、少しでもお子さんのことを考えるなら、覚悟を持って、お家の方から尋ねてみましょう。先生も検査が必要と少しでも考えていたら、スムーズに進めてくれることでしょう。学校によっては、検査結果に応じて、個別学習に対応してくれるところもあります。それが受けられないとしても、検査することで得意不得意がわかり、今後、学校や家庭での支援方法を考える手助けとなります。
2 夏休みにできることは何か
発達検査ほどではないという場合には、夏休みに何ができるかを考えなければなりません。
ですので、先生にどのような学習をすればよいかを尋ねてみましょう。
基本的には、1学期で△が付くなら基礎からはじめていくのがよいです。
・ひらがな50音の読み書き→ことばの読み書き→文の読み書き
・音読練習
・5までの数をぱっと見て答える
→具体物を使って数に慣れる訓練(5と3で8、8は3と5など、数と物とを一致させる)
・手を使って足し算
・手を使って引き算
・計算カードを覚える
はじめに、具体物を使って数の概念を形成させていきたいですが、どうしても入らない場合は、計算カードで覚え、計算はできるようにしておくというのも一つです。
逆に、どうしても覚えられない場合は、手を使って素早く足し引きできるように練習しておくのも一つです。
1年生1学期では、◎か○かを気にするよりも、△が付いていないかに注目するのがよいです。
そして、△はおまけで○になっていることも、この時期にはあり得ますので、普段の宿題などの様子を見ていて、できているか心配であれば、尋ねておきましょう。
「2学期はどうのるかわからない、、」というぎりぎり○であれば、夏休みに何をしておくとよいかも聞いておきましょう。
通知表に一喜一憂せず、今後に向けて役立てていきましょう😄