成績はどのように付けているのか気になる方もおられるかと思います。
学校によって成績を付ける基準は変わってきますが、文科省が身につけるべき内容を決めていますので、それができているかどうか見なければならないのは全国どこでも同じです。
身に付けるべき内容は決まっていながらも、学校によって基準が変わるとはどういうことか?
成績をどのように付けているかを知ることで、その意味がわかるかと思います。
地域によってそれぞれの考え方が出てきますので、このような付け方もあるという一つの例としてご理解ください。
1 1年生1学期の扱い
1年生の1学期は○か△しか付けないと示している学校もあります。一方、◎を付ける学校もあります。
◎を付けない理由は、1年生の1学期は入門期であると捉えているからです。
1学期の内容は、主に学習規律、生活習慣を身につけることです。
学習と言っても、入学以前に付けてきた力が大きく、個々によって異なっていた力を、1学期の学習により、同じスタート地点に立たせるという感じです。
従って、◎は付けられなのです。
◎を付ける学校は、入門期であっても、学習しているわけであるから、よくできる子がいたら評価して付けるべきだという考えがあるからです。
これらは、1年生の先生が決めるわけではなく、学校として決まっています。長年してきたことが続いていくという感じです。しかし、変えたい時は、管理職に提案して検討してもらいます。とは言っても、ころころと変えることはないので、大きな変化となります。
また、1学期ということで、国語と算数しか△は付けないと決める場合もあります。
入門期でありながら、生活科も図工も音楽も△が付いたらかわいそうかだという考えがあったりするのです。それは、1年生の先生たちで相談して基準を決めていきます。
2 ◎△のボーダーラインは変わる
テストだけで評価できるわけではありませんが、一番テストが客観的であり、公平ではっきりとわかりやすいのです。
ですので、主にテストで評価をとることになります。
このテストですが、80点以上が○、95点(90点)以上が◎といったラインとなります。
50点満点であれば、×2をして考えればよいです。
この95点か90点かというのも、テストやテスト会社によって異なります。高学年の5段階評価の5を狙うなら95点以上は取れる力が必要かもしれません。
このテストの点数の基準が、学校や学年によって異なるなのです。学校ごとに大体の基準が定められますが、テストの内容によって前後させることがあります。
クラスごとではなく、学年で相談して決めるのです。昔と異なり、人数でボーダーを決めません。しかし、人数が多すぎると、内容が簡単だったということで、◎の基準を上げることがあります。△の基準を上げることは滅多とないです。むしろ、△が多すぎる場合は、基準を75点にするかどうかを相談して決めます。
きちんと事実は事実として、今後のためにも人数が多くても付ける場合もあれば、テストの内容から75点にしておく場合もあります。
つまり、客観的なテストをしながらも、そのボーダーを決めるのは、普段子どもたちを指導している先生たちとなるのです。
3 “主体性”の付け方の難しさ
“主体性”という観点が、どの教科にもあります。昔でいうと、“意欲関心態度”です。
これは、“ノートを綺麗に書く”“手をよく挙げる”といったことで判断しません。もちろん、そういった態度も見ていますが、それだけで◎にはならないのです。
目標に向かってどのように課題に取り組み、目標をいかに達成できるように、努力を積み重ねられるかというものです。もし、その目標からずれて進んでいる場合は、努力の方向性が違うということで、軌道修正をかけていく力が必要となります。
さて、このような姿を的確に捉えるためには何を見ていくのか。
そして、それが1年生の場合は、、、と、非常に難しい観点となるのです。
この主体性の付け方は、
「軌道修正できていたら、他の2つの観点で両方とも△がつくはずかない、だから、他の2つの観点が△なら、主体性の観点も自動的に△になる」と決まっている学校もあります。
「きちんと説明が付けば、○にしてよい」という学校もあります。
このように、学校で成績そのものの付け方が変わったり、学年で相談して基準を決めたりしているので、文科省が学習内容、修得する内容を決めていても、成績は学校それぞれなのです。
「公立学校なのに違ったもいいのか」と思われるかもしれませんが、当たり前と言えば当たり前なのです。それは、ロボットでもなく、人間である先生が教えているからです。
学習内容は同じであっても、先生によって変わってきます。それがよさとも言えます。人が人に教えるということてわす。
そして、その先生たちが子どもたちの日頃の様子を見て、どうすればこの成績が生かされるのかを考えに考えて決めているからです。
終業式に成績表が渡されますが、考えに考えて作成した成績表を是非活用してほしいです。