学年末、気になることがあれこれある時期ですが、その中の一つとして
やはり、成績ではないでしょうか。
ところで、この成績って、どうやってつくのだろう?と
疑問に思ったことが一度はあるかと思います。
これは、ずばり、学校によって異なります。
こう言うと、少々誤解を招きそうですね。
もう少し詳しくこの意味を以下の順で説明していきます。
1 文部科学省の示した中身を学習する
2 その基準に満たしているかを判断する
3 成績の付け方は変化する
1 文部科学省の示した中身を学習する
成績を付けるということは、成績ありきではなく、学習あってのことです。
そして、その学習内容を決めているのが文部科学省です。
各学年、もしくは2年間の単位で、身に付けるべき内容が決まっています。
その内容がよくわかるのが、教科書です。
教科書はこの内容が網羅されているのです。
ですので、地域によって採択されている教科書が異なりますし、
順番が異なることもあります。
しかし、どこかの教科書だけがぬけているということはないのです。
この、ぬけている、ぬけていないというのは、身に付けるべき内容についてのことです。
身に付ける内容といっても、やることが一緒というわけでもないのです。
例えば、体育では球技でハンドボールをしている学校もあれば、ポーとボールをしている学校もあります。
身に付けるべき力が付くゲームの中から選べばよいのです。
コロナ禍で休業になった時は、この付けるべき力の内容を漏れることがないよう、
数か月で行ったというわけです。そして、間に合わなかった内容は次の学年で補充して、抜け落ちることがないようにしたのです。
このようにして、全国、どこにいても同じ力が付けられるようにしているのです。
2 その基準に満たしているかを判断する
そして、その内容が身に付いたかを示したものが、学期末に渡される通知票と呼ばれている成績票なのです。
この付けるべき力が身に付いたのかというところを見るのが、テストであったり、課題であったりするのです。
判断するための内容例
①ペーパーテスト
市販テスト、小テスト、
②実技テスト
リコーダー、鍵盤ハーモニカ、合奏、歌唱、リズムうち、
体育の競技、調理実習
③作品
絵画、工作、裁縫
④課題
感想文、レポート、鑑賞
⑤授業
授業での発言内容、書く内容、感想の内容
そして、文科省が示した内容の基準に沿って(◎)(△)を付けていきます。
((◎)(△)と( )にしているのは、付け方が数字であったり示し方が地域によって異なるからこのように示しました)
テストならば、何点をラインにするのかを決めて、◎、△を付けます。
テストは1枚だけではありません。何枚中◎がいくつ、△がいくつと数で出します。
実技や作品、課題も、いくつ中◎がいくつ、△がいくつとして、数を出していきます。
ぼんやりと、決めているわけではありません。
⑤では、特に勘違いされがちですが、頑張っている雰囲気を見せろというのは、ちょっと違います。
雰囲気だけ示されても、内容が伴っていなければ、残念ながら向かっているところが違うということになります。
もちろんいい加減な態度をして、テストだけできたらよいというわけではないというのも、①だけで決めていないからです。
3 成績の付け方の変化
昔は、(◎)(△)を人数で区切っていました。
しかし、今は、数ではなくその基準をもとに判断していくので、人数は関係ありません。
では、みんなが◎になることはあるのか?
それは、時と場合によります。全員とまではいかなくても、ほとんどの子どもが◎ということもあります。しかし、だからといって、その教科が3(5)になるとは限りません。1教科1項目ではないからですね。◎が付きやすい項目があります。
逆もしかりです。こんなにか。。。とこちらが反省するほどの△が付くこともあります。やはり、△が付きやすい項目があるのです。
テストの内容を見て、点数ラインを変える場合もあります。あまりにも易しい場合はラインを上げることがあるのです。そのラインは学年で決めるので、担任の先生が独断では決めません。
そして、最近、また成績の付け方が変わりました。
じっくり見ておられる方はお気づきかと思いますが、項目内容が変わりました。
正直、学校現場は大変でした。共通認識をはかるために研修や意見交流、そして、実際に付けるときに、学年で四苦八苦しながら付けていました。
一つの例を挙げると、
意欲・関心・態度→主体的に学習に取り組む態度
となりました。
今までと考え方が大きく変わったというより、今まで曖昧にされてきたことを、はっきりと示してきたという感じです。
2でお伝えしたように、頑張ったから〇とはならないと、はっきりと示されました。
ですので、「手を挙げたら成績が上がる」と、昔言われていたことは今では通じません。いっぱい手を挙げたら◎とはならないのです。
先生のお気に入りになれば、、、なんていう昔の俗説はありません。
先生の主観にならないよう、客観的に子どもの力をはかり、それが今後につながるように変わってきています。
では、なぜ、それが学校によって異なるのか?
先ほどから申し上げていますように、基準はあっても、ラインをひいていくのはその学年の先生になるのです。そして、そのラインの上下は学校の方針によるのです。
ラインはラインでびしっと決めてしまう学校や、子どものやる気が大切だとしてラインをゆるくする学校など、それぞれ地域や学校の特色などによることが大きいです。
そもそも、形式も違ったりします。5段階であったり、3段階であったり。
学校によってそれぞれです。
文科省はここまでは身に付けましょうと示していますが、通知票に関しては、関与していないのです。なんと、ここまでお話ししていてなんですが、、、通知票に法的根拠はないのです。つまり、なくてもよいものなのです。
これとは別に、個人の成績などを保管する指導要録というものがあります。これは、お家の方には見せていませんが、これをお家の方に別の形で作成したものが通知票なのです。
お家の方に、学習状況を把握していただき、お子さんの励みや次の課題につながるようにお渡ししています。
もしかしたら、通知票も別の形に変わっていくかもしれませんね。