ぴかぴかの1年生 先生の視点から

遠慮して聞けないちょっとしたことも知れば安心です。

変わってきた水泳学習 スイミングスクールへの委託

コロナ禍で、一時は水泳学習がなくなりました。そして、水泳学習再開後は、距離を保ちながらの試行錯誤の中で行われていました。

そんな中、地域のスイミングスクールで学習する地域も増えてきているようですね。

スイミングスクールを利用するメリット

1 安全性

なんと言ってもこれではないでしょうか。水泳学習は最も危険な授業となります。そこまでしてする必要性はあるのかと思うほど怖いです。

数名の教師で、大人数の子どもたちを監視と指導していくわけです。

リスクが高すぎです。

昔は、自由時間がありました。今ではないのが当たり前になり、「自由時間はー?」とお願いしてくる子どもたちもいなくなりました。

宝探しなどもしてあげたいですが、やはり安全性が最優先ですので、二の足を踏みます。

また、昔は水量が高くてもアップアップとしながらジャンプしたり、先生にしがみついたりしながら、何とか過ごしていましたが、今では考えられませんね。

学年に合わせて水の量を増減させています。

その点、スイミングスクールに行けば、教員が児童を監視・対応して、指導はスイミングコーチというように分担できますね。

備品や設備も揃っており、ヘルパーや、水中に敷く台、コースロープもあります。それだけで安全とは言えませんが、少なくとも、学校のプールよりは安全に思います。

 

2 指導内容の充実

学校では、

・1人は陸上監視、1人は陸上指導、残りで入水児童のフォロー

・1人は陸上監視、残りでチーム編成

という具合に、陸上監視を除く、数人で指導に当たります。

また、安全性を考えて入水人数も考えますので、2時間授業(着替え、お茶飲み・トイレ休憩など含めて)であっても、実質入っている時間は、数十分になります。

低学年では、水泳学習というよりも、“水遊び”ですが、水に浮かんだり、もぐったりできるようにしたいものです。

しかし、人手と設備面からも、なかなか一人一人に対応できません。

学年が上がって、チームわけをしても泳力をあの時間と人手でのばすのは難しいですね。

昔は、夏休みの水泳補習で、少人数・時間たっぷりで泳力をのばす子も多かったですが、今では水泳補習もなくなってきていますね。

教員の働き方だけでなく、この暑さ(熱さ)と、雷雨注意報、光化学スモッグなどの観点からも難しいですね。

その点、スイミングスクールでは、プロのコーチがいます。人数もいますので、少人数グループが可能です。個別対応しやすいですね。

 

3 備品・設備面

コースも分かれていない、ただ、だだっ広いプールは、水が苦手な子にとっては、余計に怖いでしょう。また、ビート板やヘルパーなどの備品が充実していない場合があります。

水が怖い子や、泳ぐ時に体が沈む子は、ヘルパーをすれば、それらが解消されます。泳げない状態にも関わらず、ヘルパーなしでは体が沈んだままの練習になります。バタ足も肝心の息継ぎも練習になりません。なかなか上達しないのは当たり前です。

また、水中に敷く台もありません。用意してある学校もありましたが、使われてませんでした。出し入れが出来ないからです。

それらが、スイミングスクールには揃っています。ヘルパー・ビート板などの備品の数が充実しています。水中にがあるのも当たり前。怖さも全くちがいます。台にしゃがんで、お風呂のように入ることができます。そこで、顔つけやブクブクの練習などができます。

また、コースロープやタイムをはかる大きな時計もあります。泳げる子はどんどん練習できますよね。

また、何と言っても室内です。天候に左右されず、熱中症防止にもなります。

4 労力

水泳学習の前には、6年生がプール清掃をしてくれる学校があります。しかし、あまにりにも汚れているため、事前に教員である程度の清掃をする場合があります。また、6年生のプール清掃後も、教員で仕上げます。暑い中、何時間もかけて放課後に行います。

また、水泳学習がはじまれば、

・温度の確認

・塩素の確認

をして塩素を入れたりします。また、

・水量の増減

のために、早朝や、授業の合間、放課後に、コックを開けたり、閉じたりしに行きます。それが、また重い蓋や硬いコックだったりするのです。

たまに、水が出しっぱなしで、税金問題がニュースになります。詳細はわかりませんが、誰がやってしまってもおかしくなような環境です。

その他にも

・機械室で塩素を注入

・濾過装置のゴミ取り

なども、当番や担当がやります。

塩素は原液のため「手袋・ゴーグルを着用して灯油を入れるとシュポシュポを使用する」とアドバイスをもらったところで、時間がかかって仕方ありません。そのままドバドバと素手で入れます。ゴーグルも用意されていません。服に穴が空いたこともありますし、漂白されてしまった人もよく見かけます。本当に危ないです。

 

5 費用

水代が膨大にかかります。特に最近では、水量を毎回増減させるので、それはそれはな金額です。

また、プールの老朽化が進んでおり、改築しなくてはいけない学校も出てきています。

改築前に、スイミングスクールを検討することが必要かと思うのですが、それもせずに改築してしまっている学校もあります。莫大や費用をかけています。今後何十年使用するつもりなのでしょうか。

バスをチャーターしてもスイミングスクールに費用を払った方が安く済みそうです。受け入れ側のスイミングスクールとしてはどうなのかはわかりませんが、顧客獲得にもつながりそうだなと素人目線です。

 

スイミングスクールへの移行が早急に進まないものかと思います。